別ヴァージョンに泣く

 先日の件での親切かつ頼もしい対応ぶりもあって、私の中ではひじょうに評価が高まっているソフトバンククリエイティブ(なかでもソフトバンク文庫)。じつはその前にも、『鉄塔武蔵野線』の復刊というイカしたことをやってくれていたのであった。

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)

鉄塔 武蔵野線 (ソフトバンク文庫 キ 1-1)


 『大聖堂』だって、もとは新潮文庫から出ていて絶版状態になったものをSB文庫が甦らせたものだし、『鉄塔』復刊と聞いても正直「どうも新潮の払い下げ品が多いんだな…」としか思っていなかった。
 ところが、昨日リアル書店で現物を手にとって初めて知ったのが、今回のはかつて流通していた新潮社(→新潮文庫)版の単なる復刊ではなく、著者が収録を望みながらかなわなかった写真を追加した〈完全版〉だとのこと。これはますます「志の高い」出版という感じですねー。


 といっても、『鉄塔武蔵野線』に関してはじつは映画を観ただけで原作はもともと未読。なので今回の〈完全版〉を諸手を挙げて歓迎\(^o^)/すればよいだけなのですが、ちょっと辛いのがこんなケース。↓

プラトン学園 (講談社文庫)

プラトン学園 (講談社文庫)

 単行本刊行時に既読だし、文庫化されたからって別に関係ない*1と思っていたのに、これもちょっと手に取ってみたところ、解説:小谷真理、しかも「最終章が大幅に改稿されています」との但し書き付き!!大幅改稿と言われても、当然旧版の結末だって憶えていないので両方並べて読み直しになるわけですかーっ。うーん、悩む。

*1:私はとても好きな作家であっても、各ヴァージョン揃えたりとかいうことは基本的にやらない