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抱擁〈1〉 (新潮文庫)

抱擁〈1〉 (新潮文庫)

 偶然ですが、先日の『雪沼とその周辺』に続いて同じ新潮文庫、同じ精興社の活字*1。こちらは古い書簡などの引用が多出し、字体や組み方によって"地の文"と区別されているので、字体がとても重要です。編集は大変そう…
 ぶあつい上下巻のうちまだ上巻の4割ぐらいのところですが、いまのところ期待した(?)恋愛小説ぽい要素はほとんど無くて、むしろ学界小説・ポスドク小説ていう感じ。フェミニズム批評をからかっているような節もあるし、同じ19世紀の女流作家が登場するということもあって、メアリ・シェリーをとりあげた『批評理論入門』を思い出します*2ペダンティックなんだけど引きこみ力がある小説で、けっこうどんどん読めてます。先が長いのがむしろ楽しみというのは久しぶりに味わう感覚。

*1:もう活字とは言わないか。字体?

*2:作中の会話で『フランケンシュタイン』への言及もあり