- 作者: 金井美恵子,金井久美子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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ちょっと重箱の隅をつつくことにして、田壮壮が『呉清源』のロケを近江八幡で行ったという話のつづきで
美容院にヘアー・カットに行き、そこでパラパラめくっていた女性誌(雑誌本体の紙の重さでは『和樂』をしのぐ高級女性誌)で、近江八幡と彦根と京都の、アメリカ人の医者で建築家ヴォーリズの設計した館の特集を見て、へぇーっ、そうなんだ、と知った(p.142「布地が語る愛」)
と書かれているのだが、ヴォーリズは「医者」ではない*1。よもやあの「高級女性誌」の記事がそんなふうに書いていたとも思えないので、筆者の誤読か勘違いだろうと勝手に推察したうえで、初出掲載『和樂』の編集者も、単行本化した平凡社の編集者も気づかなかったのか、それともこれほどの大御所となると勘違いも芸のうちなのか。やはりあの「高級女性誌」が、紙の重さだけでなく歴史と見識の上でも『和樂』をしのいでいるんではないかいと、ちょっと肩入れしてみたくなったりして。