ちょっとお安い。

雨の塔

雨の塔

 表紙の感じとか、オンライン書店での紹介文にちょっと心惹かれて、一時は買って読もうかな…と思いかけた本。結果的に「図書館で借りて済ませて良かった!」えへへ(^^;)…
 期待したほど耽美度(というか高踏度?)が高くなかったし、現実離れのしかたもちょっと中途はんぱでした。地の文までが、いかにもいまどきの人が書いている調子。登場人物たちの感情の揺れ動きぐあいも、現役の高校生世代ぐらいだったらいくらか共感するのかもしれない。

 主要キャラクターである4人の少女が私の頭の中でうまく具体的な像を結ばず、表紙画のそれぞれが誰なのかのみ込むのにも少し時間がかかった。やっとどれが誰なのか判ると、こんどはこのイラストにひきずられて、いちいち表紙をみて「あぁ、今しゃべってるのはこの子だな」と確認してしまう。文中の台詞や行動だけではどの(どんな)人物だったのか曖昧な感じしかしなかった。結局、かなりの部分を表紙画の力を借りて読み進んだことに…おそるべし、鳩山郁子画伯。