悪意が高密度

 これがたぶん初牧野本です。

ファントム・ケーブル (角川ホラー文庫)

ファントム・ケーブル (角川ホラー文庫)

ファントム・ケーブル 
ドキュメント・ロード 
ファイヤーマン
怪物癖 
スキンダンスの階梯 
幻影錠 
ヨブ式
死せるイサクを糧として 
ファントム・ケーブル

「ヨブ式」「死せるイサクを糧として」という旧約っぽいタイトルにひかれて借りてみた図書館本。けっきょく「スキンダンスの階梯」以下を読んだ。
 「〜式」は「ヨブの如く」のような意味かと思ってたらそうじゃなかったところがミソ。あまりにも理不尽で悲惨な巡りあわせに対する、なぜ?という当然の問いが、思いがけない解答へ主人公を引きずりこんでいく。
 同じタイトル作で始まり終わっているところを見ると、やはり一冊通して読まないと意味が半減するのかな。返却までに時間があれば残りも読むかも…だが、このギュウギュウ押し寄せてくる悪意と苦痛の圧迫感はちょっとしんどい。