映画のほうはショボーンだったのであらう

ディーン・R・クーンツ『ファントム』 読了。


 風邪ぎみ&目の充血が治まらず、寝床でボチボチ読むありさまだったので、一瞬の体感時間とは行かなかったのですが、楽しく読み終えました。とちゅうで恩田陸『MAZE』を思い出しましたが、ぜんぜん違う話だった。

 最初のほう、ヒロイン姉妹がちょっと冷静すぎて違和感があったものの、すぐに慣れさせられてしまいます。パン屋さんの死体の様子とか、敵の姿の描写とか、映像で見てみたいところはいっぱいありましたが、ただ、途中で「このラヴクラフト流の悪夢」というフレーズが出てきた時は、それ言っちゃダメでしょ!と思いました。


 ところでこの文庫本カヴァー袖には映画のスティル写真が使われていて、ベン・アフレックが出ていたらしいんですが、不思議なことにこの映画の噂をぜんぜん聞いたおぼえがない。原作を知らなくても、このテの映画が紹介されていたら私としては興味をそそられないはずがないし、たとえ日本未公開orひっそり公開だった場合でも、wowowのハリウッド映画情報番組なんかで「そういう映画ができたらしい」ぐらいは絶対に耳にするはずなのに。これに関してはまるで存在を知らなかったのが自分でも腑に落ちないです。よっぽど評判悪かったとか?

 配役にも(観てもいないのに)ちょっと不満。保安官ブライスハモンドは「一見ボンクラっぽく見えるけどじつはなかなかの切れ者、しかも心に影あり」という設定だけど、ベン・アフレックにそんな役ができたのかしらん?それに、せっかくリーヴ・シュライバーが出てるのにステュ・ワーグル役だというのも悔しい。彼がジェイク・ジョンソンをやってたら是非見てみたいと思うけど、映画の配役表にはジェイク・ジョンソンという名前が無いので、映画ではオミットされたのかな。