デヴィッド・リンチになれなかったよ

  • 『ミッシング・ハイウェイ』(英・ルクセンブルグ) マーカス・アダムス監督(地上波・吹替版)

 私がやや苦手(^^;)とする女優マデリーン・ストウが、嫌みで感情的な女主人公を演じるサスペンス/スリラー。ミッドセンチュリーなドライヴ・インの雰囲気、そこをふわふわする視線(それが彼女の常用する薬のせいであることを暗示し、出来事そのものの信憑性をゆらがせる意図がある)で繰り返しさまようカメラ、全体のふしぎな浮遊感はちょっと魅力的であるが、あとはやや期待はずれ。
 特にオープニングの事故場面からは、人体改変バイオホラー的展開を予想したのだけど、実際はマンソン・ファミリーのパチもんみたいな小カルト?集団(こいつらが魅力無し)というオチだったのは落胆させられた。“教祖”のジョナサン・リース・マイヤーズは、持ち味を間違った方向に大いに活かした怪演。無駄に「痛い」場面があるので、苦手な人は注意です。