信じる信じないはともかく、そーゆー体験というのが皆無な人種であるわたくし。もちろんこの本も一種の「百物語」である以上、一日で読み尽くすということは避け(それにそもそも一気読みするような本でもない)、数日に分けて読むという程度に気は使ったのですが、寝る前に少し読んでそのまま枕元に置いてしまった夜はマズかった。異様に寝苦しく・・イエべつに何が起きたわけでもなかったのですが、とにかく異様に寝苦しかった、だけなのがかえって気味悪い。
そんな本書は、オンライン書店ビーケーワンにより開催された「ビーケーワン怪談大賞」応募作から100作を選んだもの。既にウェブ上で読んだものもありましたが、それでも楽しめました。以下は私が選ぶフェイバリット5。
- 勝山海百合「軍馬の帰還」
ウェブ上で読んだ時にこの日記にも書きました(作者の筆名が変更されてます)。涙の名作。
- クジラマク「ガス室」
同じ動物がらみでもこちらは救いが無い・・・しかしまとめ方のうまさが好み。
- 我妻俊樹「歌舞伎」
- 黒史郎「祖父のカセットテープ」
録音・放送モノの怖さが凝縮された2作。頭の中が静かに歪んでいきそうな感覚。
- 立花腑楽「吉田爺」
「祖父」と並んで、やっぱり年寄りモノが怖い。なぜなんでしょう〜?
ほかに我妻俊樹「浄霊中」斜斤「食堂にて」の、最後のイメージの強烈さも捨てがたく。どうすればこんな絵柄を思いつくのか聞いてみたい。もしかしてほんとに見たの?・・・