先日もちょっと書いたように、いま『復活の儀式』というホラー小説を読んでいます。メインで読むべきは『白鯨』なんだけど、これだけではちょっと重いので合間にもう少し気楽に読めるものを・・とクジを引いたら、『白鯨』に負けないくらい分厚いやつを引き当ててしまった( ̄∀ ̄;)というわけ。でもまぁ全くエンタテインメントなので、読むのは楽です。
そんなわけでこれを読み始めたのが5月1日。ところがプロローグが終わったところで、いきなり物語の最初の日付が「5月1日」と出てきたので、おぉ!と驚いた*1。
じつはこういうことは私には時々あるのです。
たとえば高野史緒『架空の王国』のあとがきには、この小説が1992年の聖母被昇天記念日に書き始められたと記され、そのあとがき自身の日付も1997年8月15日聖母被昇天記念日、となっているのだが、私がこの小説を読み始めたのは1998年8月15日だった。なにげなく最初にあとがきに眼をやって(←私だけじゃないですよね)その偶然にびっくり。
また、アントニオ・タブッキの『島とクジラと女をめぐる断片』中の「その他の断片」で、
十一月二日には霊たちが現れるのだが、それは聖ミカエルに煉獄から縄で吊りあげてもらうためだ。
という箇所を読んだのも、たまたま他ならぬ11月2日だった。
なぜこんなことを憶えているかというと、もちろん憶えているわけではなくて、実は私のツバメノートは、最初はこんな事を嬉しげに書きつけるための物だった。偶然の小さな符合。どういうわけか私はこの種の巡りあわせに弱い。それだからといって何か良いことがあるわけでは全然ないのに、なんとなく幸運を拾ったような気分になってしまうのだ。
*1:ただしそのあと物語はどんどん進むので、現在すでに小説内時間は7月である。