五月晴れと鞍馬天狗

 ことし1月に鞍馬寺へお参りに登ったとき記念に購入した「降魔扇」を、初めて飾ってみました。

図柄は護法魔王尊と脇侍の遮那王(牛若丸)です。災禍抜除(禍いを払い清める)破邪顕正(よこしまを正す)のいのりがこめられております。浄風と共に、清めの活力をお受け下さい。    総本山 鞍馬寺

 その日はまばゆいほどに晴れわたり空気の澄んだ、まことにすがすがしい冬の一日でした。シーズンオフで人出も少ない鞍馬山は、さすがにちょっとした異界という印象で、いつも心身共にぐんにゃりした私でさえ「そういえばなにかが充ち満ちてきたような…」と思わされそうな空間でした。元気があったらまた行ってみたい。


 説明書きのとおり、めでたくありがたい扇子なのだからさっそく1月から飾ってみても良かったのですが、なぜか初夏のいまごろに飾るのがぴったりのような気がして、やっと取りだしてきました。牛若丸がなんとなく若葉の季節を連想させるのかも。

 などと考えていたら、「今月はおじいさんの命日があるから、飾ったら喜ばはるかも」と言われました。この扇子の絵を描いた日本画家の柴田晩葉さんは、うちのおじいさんと絵の学校で同級生だったことから交流があり、ときどき家に遊びに来ていたそうです。ちょっとしたゆかりの品が見つかってちょうど良かった。