本の行きどまり(追記あり)

 工藤庸子さんの本を読んでいて、今さら気づいたこと。


 講談社現代新書のカバーが現行のものになってから何年経つのかしらん、「前のよりも良い」という声は一度も見聞きしたことがない(爆)。かつての杉浦康平によるカバーの、美しさ・わくわく感は言うまでもないことだが、それに加えてカバー後ろ袖に必ず「現代新書既刊より」として、同シリーズ内の関連書目の紹介が載っていたと思う。
 現行カバーの同じ場所には、「本文より」として一部抜粋が載せられているようだ(他の書目もそうなのかは確認してないし不明)。これも悪いもんではないが、もっと目につく裏表紙とか帯にでも載せたほうがよさそうな内容だ。この本に帯がかかっていたかどうかは(図書館では取り去られてしまうので)不明だが、講談社現代新書には店頭で見てもあまり帯というものがかかっていないような気がするし、裏表紙もバーコードや価格しか印刷されていない。白いカバーのスッキリ感を優先したいという姿勢の表れかもしれない。ちなみに前側のカバー袖には著者紹介が印刷されている。
 あの「現代新書既刊より」は、もちろん自社出版物の宣伝であり、さらに続けて知識を得たいという読者に対するサービスでもあり、自シリーズの蓄積に対する誇りも示されるなかなか意義ぶかいコーナーだった。おもてのアートワークも含めてカバー全体が、いろんな「つながり」を表現していたのだと思う。いまの白いカバーの講談社現代新書は、ひとりぼっちで寂しそうだ。


 
 (1/20追記)遅ればせながら本屋さんでちょっと見てきました。講談社現代新書、ほとんど帯が付いてたんですね。大きすぎて気づかなかった( ̄∀ ̄;)
 でも、トラバくださったshidehiraさんのところに画像アップされているような、「ロングセラー」など関連書が掲載されているものはあまり見あたらなくて、その本じたいの内容や惹句が印刷されている帯が多いように思いました。中には派手な写真の帯もあり、むしろあの白いカバーは帯を引き立てるように考えられているのかなという印象を受けました。売れるまでに帯が傷んだり無くなったりしたらちょっと痛手だな。(パパっと何冊か手にとってみただけなので、偏った報告になってたらスミマセン)