理解力が全く足りませんでした

 ハーマン・メルヴィル『幽霊船 他一篇』(岩波文庫)読了。3月末に読み終えたけど、難しくてよくわからず(涙)、つい書きそびれていたのでとりあえずここに記録。

幽霊船 他1篇 (岩波文庫 赤 308-5)

幽霊船 他1篇 (岩波文庫 赤 308-5)

 ここにも書いたとおり、「他一篇」というのが「バートルビー」という作品です。

 「幽霊船」がすごく読みづらくて長いことかかってしまった。ストーリーとしてはまぁ単純な(実際にあった船の乗っ取りというか反乱事件が題材になっているらしい)話なのに、やけに象徴的で思わせぶりな描写で、全体が悪夢のように変調し、バロック風のギトギトした絵を見ている感じ。
 「バートルビー」のほうは、いっさいの行動を拒むバートルビーを、なんとか穏便に去らせようとする雇い主(語り手)の忍耐強さと誇り高さ?がむしろ不思議な話です。