笑いとサスペンス?


情婦 [DVD]

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 これもクリスティ特集で録画したもの。なんだか知らんけど、この邦題はどういうわけで(クリスティの原作のほうは邦題も『検察側の証人』で知られている。知られていると具合が悪かったのか)?


 エンド・クレジット画面に重ねて「まだ観てない人に決して結末を話さないで下さい…」という意味のナレーションが入る。これはめずらしいのではないかしら。
 誰が本当のことを言っているのか、最後まで気を許せない事件のゆくえを追う緊迫感と、主人公(と呼んでもいいと思うけど)である肥満体の老弁護士の憎まれ口や周囲の人物とのやりとりがかもしだす軽妙なおかしみとが絡み合って、見はじめたら止められない面白さだった。この弁護士キャラがシリーズ化されたら見たいかも知れない>ブランデーと葉巻と狭心症の薬が手放せないハラハラ法廷もの。


 この弁護士役の俳優がCharles Laughton、この名前の綴りからはピンと来なかったのだけど、テレビで《チャールズ・ロートン》という表記を見て「あれ、見覚えがあるけど…」と思った。調べてみたら、『狩人の夜』の監督だったのだ。だから名前は知ってても顔には見覚えが無かった。ちなみに彼の監督作はこれ1本のみだったとか。偉い俳優だったんですね。