山あいで見た幾千年の向こう


 春(しかも桜も終わってしまった頃)にしか行ったことの無かった信楽桃源郷、ミホミュージアムへ、今度はぜひ紅葉の季節に行ってみよう!とはりきって企画したのですが、まだちょっと紅葉が少なめだったかも。惜しい。しかし展示は充実してました。


 自分としては『乾山』にはあまり興味が無くて、『アメリカ古代文明』のほうがメインのつもりだったのですが、展示の規模・お客の入りや熱気、いずれをとっても完全に『乾山』が主役でしたな。
 会場に入った時点では、「ざっと流すだけで・・・」と思っていたけれど、いざ見始めると、定家の作品をフィーチャーした月次(つきなみ)の屏風や、謡曲にちなんだ角皿など、シリーズ物がいくつもあって、もっと丁寧にみたかったのですが、とても混雑していて、根気と足腰が続きませんでした。
 つけ加えるなら、会場の照明暗すぎ。せっかくの説明書きも、ぜんぜん読めないところが多かった。私よりも年配のお客のほうが多かったと思うんだけど、あれで不便はないのでしょうか。


 『アメリカ古代文明』は、なんといってもオルメカ文明。BC1200-BC500?という、とても古い時代のメキシコ出土の遺物ですが、その精巧さ・異色の造形で驚かせてくれました。特に、翡翠に精緻な文様を彫り込んで着色した仮面や、憑依プロセス中の苦悶するシャーマンをかたどった人物像など、とても個性的でエキサイティングな芸術でした。

 X-FILESで聞き覚えた「アナサジ」(北米・アリゾナ付近の先住民族らしい)の遺物がいきなり会場入り口にあったので期待したのですが、それ以外の展示はなくて残念でした。


 昼食は美術館内の自然派レストランで「おにぎり膳」。自家製お豆腐がとてもおいしかったです。天然酵母のパンをおみやげに買って帰りました。