- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2001/09/26
- メディア: DVD
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フェルメールやレンブラント、ブリューゲル、ボッシュ、フリードリヒ、ベックリンやクノップフなどなど、いろんなヨーロッパ絵画を連想させる場面があちこちに散りばめられた様式美あふれる作品。なかでもドラキュラ伯爵の棺を載せた船が河をくだり海を渡る場面の、静かな不気味さがたまらない。
それにしてもこのキャストの豪華さよ・・・ストーリー自体はストレートな吸血鬼ものなのだが、愛に飢え不死のさだめを嘆くドラキュラ伯爵をクラウス・キンスキーが悲愴に演じて貫禄を感じさせる。古めかしいホラー・ヒロインの典型を意識して誇張されたイザベル・アジャーニのメイクと演技、美しい衣装も印象的。また、主人公ハーカーを伯爵の元へ送り出す、不動産屋の主人にして実はドラキュラの手先レンフィールドを演じるローラン・トポール(この人は小説家、劇作家、画家で俳優というマルチ・アーティストだそう。間もなく没後10年)の気持ち悪さも最高〜。
全編に漂うように流れるポポル・ヴーの音楽は、悪夢めいて耳にまとわりつく。Popol Vuhといえば、"Hosianna Mantra"ていうまさにお経みたいな眠いCDしか聴いたことなかったのですが、映像と共に聴くほうがなんぼかマシずっと良さそうな・・・それにこの監督の映画とは縁の深い音楽家だったのね。ヘルツォークの他の作品も観てみたくなってきた。
監督のヘルツォーク、主演のキンスキー、音楽のポポル・ヴーそれぞれについて詳しく書かれた有り難いページが。↓