とうとう額装

 長年ほうってあったステッチ作品を、やっと思い立って額入れしてもらいました。

  • "Illuminated Manuscript" by Barbara Ann Richter

(追記:デザイナーの Barbara Ann Richterさんについてはこちら→ついでに、疑問氷解 - ニゲラ嬢の雑記帖 la suite

IlluminatedManuscript01

 近所の額縁屋さんがセールの広告を出していたので、こういう時に動かなければいつまでも動けない…と一大決心。さいわい、規格サイズの既製額でイメージにほぼ近いものがあったので、想定していたよりもかなりお手頃価格ですみました。ステッチしただけでは今ひとつたよりない感じの作品でも、額に入れるとぐんと立派にひきたちます。


 この作品は自分のクロスステッチ歴のなかでもかなり初期に刺したもので、おそらくこのブログを始めた頃(2004年11月)よりもずっと前だと思います*1
 二目刺しも知らなかったので、ハーフステッチのある図案なのに、Aidaのような正方形の目のある生地に無理やりブッ刺しています。編み物に関してもそうでしたが(=最初に編んだセーターが複雑なアラン模様)、どうも私は出発時こそ怖いもの知らずで無謀な挑戦をするタイプらしいです。


IlluminatedManuscript02


 この図案が発表されたのはさらに昔、母が買い集めていたクロスステッチ雑誌で見かけてすっかり憧れてしまい、しばらく迷ったあとにどうしても刺したいと取り組んだものです。
 同様のモチーフを使ったシリーズものとして、合計3作品が(かなりの期間がおかれていましたが)掲載されました。画像の上から順に、

  • "Cross Stitch & Country Crafts" Jan/Feb 90
  • "Cross Stitch & Country Crafts" Sept/Oct 91
  • "Treasures in Needlework" Winter1992


IlluminatedManuscript03

 私がステッチしたのは、一番上の(最初に掲載された)"Illuminated Manuscript"または"Medieval Manuscript"*2です。
 2番目に掲載された"Illuminated Manuscript II"の隣には、各々の上半分の絵柄部分だけを最初の図案と組み合わせてクッションに仕立てた応用作品の写真も載っています。
 3番目に掲載されたのは"Medieval Nativity"と題された降誕図で、最初のふたつが完全にペアを成すデザインだったのに比べて少し違った趣の図案になっています。


 "Treasures in Needlework"は、買収された"Cross Stitch & Country Crafts"の後身にあたる雑誌でしたが、いずれも今はなくなってしまいました。こうして20年以上前のステッチ雑誌を繰りかえし取り出してきて眺めると、そのたびに「こんな図案が載ってた!」と再発見・再認識する気分です。また細やかにデザインされた、重厚で手のこんだ図案が1冊にいくつも発表されている号があり、最近のなんとなくスカスカしたデザイン流行りに比べると、この頃はクロスステッチの黄金時代だったのではないかなぁと思ってしまいます。

*1:その時使った図案コピーでも出てくれば時期がわかりそうですが、見つからない…判明したら追記します

*2:どちらが正確な作品名か不明。解説記事の先頭には"The Illuminated Manuscript"とタイトルが付いているいっぽう、チャートの上には"Medieval Manuscript"と記載されており、一見してこちらが正式名かと思われますが、続編のほうはチャートの上に"Illuminated Manuscript II"と記載されています。