刺しゅう展をつづけて堪能

 美術館「えき」KYOTO『韓国伝統パッチワーク 韓国古刺繍とポジャギ展 福を呼び、福を包むを観てきました。

 先月の『草乃しずか日本刺繍展 −源氏物語そして命の輝き−そして今月と、刺しゅう・手芸ファンにはうれしい展示が続きました。特に草乃しずかさんの大規模な展示はなかなか関西へやって来なかったので、待ちかねたという感がありました。伝統的なモチーフ・日本刺繍の正統的な技法を用いながら、ひと目見て「草乃しずか」以外の何物でもない、独特のモダンで可愛らしい世界が創り出されているのに感動しました。なかでも「命の輝き」シリーズに豊かに描き込まれた鳥たちの姿が素晴らしかったです。

 草乃しずかさんのサイト→【アトリエ草乃しずか

 そして今回の韓国古刺繍。私は今まで「ポジャギ=韓国のパッチワーク」というふうに思っていたのですがこれは正確ではなく、

  • 「ポジャギ」とは日本でいう「風呂敷」「袱紗」に当たるような、掛けたり包んだりして儀礼や日常に使う布のこと。刺繍・染め・パッチワークなどさまざまな技法が用いられる
  • その中で、パッチワーク的な「布をはぎ・かがり合わせる」方法(で作られるもの)を「チョガッポ」という

ことが、今回の展示をみてわかりました。展観順路の途中でやっとその説明が掲げられていたので、最初は用語が何を指しているのか判らず、少し混乱しました。
 展示されていたポジャギは、上記のようにいろんな技法のものが含まれており、それぞれの良さが間近で感じられるようになっています。これまで写真などでいわゆる「ポジャギ」(それが実はチョガッポだったわけですが)を見て、「きれいだけど無地の布をはぎ合わせてあるだけでちょっと地味だな〜(アーミッシュキルトみたいに・・)」と思っていたものが、じつはさまざまな美しい地紋のある布を集めた味わい深いものだったと判りました。実物を直接見るとかなり印象が変わるものです。
 また、ポジャギ以外の、華やかな刺しゅうを施した子供の衣服や小物(巾着、眼鏡入れ、筆入れなど)も幾つか展示されており、とても愛らしいものでした。

 会場では現代的なポジャギや巾着、針山などが作れるキットもたくさん販売されていて、かなり欲しかったのですが、きれいに仕立てる自信がない*1ので泣く泣くパス。お手軽で可愛らしい指ぬきを記念に購入しました。イギリスみやげのthimbleと並べて飾ります。

*1:こまか〜い針目のまつり縫いが必須。