空飛ぶ女へのシンパシー

 いわゆる必死のパッチで間に合わせた、ハロウィンものです。イースターに続いて、jojoさんの企画に押しかけ参加させていただきました)

  • "Remember Me" designed by Birds of a Feather

 ちなみに、指定では32ctでしたが、なるべく小さめに仕上げたかったので36ctリネンに刺しました。なので、ベタ刺し部分はだいぶ縫い詰まってキチキチしています。額はおよそ27cm×22cmの「インチ額」という既製サイズのバーゲン品。
 Birds of a Featherは惜しいことにクロスステッチ部門を閉じてしまった*1ようで、この図案もすべりこみ購入でした。他にも可愛いデザインがいっぱいあったので残念です。


 背景に散りばめられている文字は

When I am dead and buried, and all my bones are rotten, when this you see remember me, lest I should be forgotten.

という詩のようなフレーズです。(恥ずかしながらGoogle頼みで)調べてみた限りでは、特定の誰かの詩というよりも、伝統的に用いられる墓碑銘のような気がするのですが、誰かご存じの方は教えてください。
 箒にまたがり赤毛をたなびかせて夜空を横切る魔女は、いっけん颯爽としているけれど、じつは秘かに孤独を噛みしめているのかもしれない。肉体が朽ち果てる時、いやもしかしたら生きながらにして既に、誰も私のことなど記憶してはいないのでは…魔女のおどけた仮面の下には涙があふれているのかもしれません。
 考えてみたら、結婚もせず子供も産まず、ヘンな音楽を流したり怪しい本を読んだり、光る画面に向かって光の文字を書いたりまたそれを読んで笑ったり、もつれた髪を伸ばしっぱなしにして薬草茶を煎じたりしている私などは、往時の基準に照らせばあきらかに魔女ではないですか。世が世なら火あぶりの可能性大。そんなわけで、素顔を見せずキリっとした前傾姿勢で空を渡っていく魔女に、おおいに親近感をいだいたこの図案なのでした。

*1:でもニードルポイント図案は出している。どこが違うの?…と思っていたが、いまサイトの説明を読むとどうやらブランドが別の人の手に渡ったことによる方向転換らし。