ゴシックにしてバロック(嘘)な法螺ー。

 ジョン・ブラックバーン『闇に葬れ』読了。(図書館本)

闇に葬れ (論創海外ミステリ)

闇に葬れ (論創海外ミステリ)

 宮脇孝雄氏はこの本の解説をこう結んでいる。

(...)ブラックバーンは、神に反逆した者が地獄に堕ちる、というのが自分の小説のテーマである、といっているのだ。なるほどそうか、(...)では、その小説の特徴は、次のように言い換えたほうがいいかもしれない。ブラックバーンの小説はジャンル混合型のエンタテインメントで、そのバックボーンにはキリスト教の信仰がある、と。

 本文に取りかかる前にそこを読んで「ヤケクソ気味?」と思ったのだが、じっさい読み終えるとまぁその通りかも…。感動(?)のエンディングには、思わず『オーメン最後の闘争』を連想。
 『刈りたての干草の香り』と同様、「論創海外ミステリ」というくくりでこれが出ていて大丈夫なのかしらと思ってしまうが、このシリーズすでに80何冊も出ているらしいので、それだけ懐の深いセレクションなのでしょうね。
 今回も主要登場人物のひとり、元軍人でマッチョな大司祭のノースマン博士に愛着を感じてきたところでお終いなのが寂しい。